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プライベートバンクの利回りについて
スイス銀行(プライベートバンク)に関するよくある質問の一つに、「預金した場合の利率や利回りはどのくらいか」というものがあります。ところが、金利は常に変動し、予測することは困難ですし、預金の利率や運用利回りはどの金融機関でどのように運用するかによっても異なります。
ですから、即答することは簡単ではありませんが、一応の目安となるものはあります。
次の表は、主要通貨における政策金利、日本国内での外貨預金金利、プライベートバンクの信託預金金利を比較したものです。
[参考資料]
主要通貨における政策金利、外貨預金金利、プライベートバンク信託預金金利の比較(いずれも税引き前の値に基づき、比較のため各国政策金利を1として換算したもの。2007年8月24日現在の利回りを基に計算)
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米ドル |
ユーロ |
カナダドル |
豪ドル |
NZドル |
政策金利 = 1.0 (各国での名称) |
1.0 (Federal Fund Rate) |
1.0 (Refinancing Tender) |
1.0 (Overnight Rate) |
1.0 (Cash Rate) |
1.0 (Official Cash Rate) |
国内外貨預金金利(A銀行) |
0.65 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.68 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.46 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.68 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.77 (6ヶ月定期預金の金利) |
プライベートバンク信託預金金利(Bank C) |
0.90 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.96 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.91 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.92 (6ヶ月定期預金の金利) |
0.96 (6ヶ月定期預金の金利) |
プライベートバンクの有利さ |
1.38倍 (+38%) |
1.41倍 (+41%) |
1.98倍 (+98%) |
1.35倍 (+35%) |
1.25倍 (+25%) |
これはどういうものかと言うと、各国の政策金利を仮に1とした場合、その通貨での銀行預金の利率がどのくらいになるかを、通貨別に換算し、比較したものです。
これが示しているのは、実際の利率や利回りではなく、銀行が金利によって儲けた分のうちどのくらいを利子として顧客に分配しているか、ということです。これを見ると、例えば米国の政策金利(フェデラル・ファンド・レート)が1パーセントであれば、日本国内の米ドル預金の利率は0.65パーセントほどになり、スイスのプライベートバンクの信託預金では0.9パーセント程度の利回りになるだろうということがわかります。そして、銀行の経営効率や顧客に対する分配性向に変化がないという前提で、政策金利がその倍の2パーセントに上昇した場合は、それぞれの数値を単純に2倍にしてみればいいのです。すると、国内銀行の米ドル預金の利率は1.3パーセント、スイスのプライベートバンクでの利率は1.8パーセントほどになると予想されます。
これはあくまで目安であって、銀行の経営方針その他の要因によって変わり得るものですが、日本国内の銀行に比べると、スイスのプライベートバンクの預金金利はおおむね3割から4割ほど高くなることがわかります。また、カナダドルのように、日本国内の利回りが極端に低く、結果的に2倍近い差がついてしまう通貨もあるようです。
逆に考えれば、日本国内銀行で提示されている外貨預金の利率をおよそ1.3倍から1.4倍ほどにしたものが、スイスのプライベートバンクの預金金利であると見当を付けられてもいいと思います。(ただし、正確にはバンカーに確認する必要があることは言うまでもありません)。
この違いはどこから生じるのでしょうか。
まず日本国内の金融機関とスイスのプライベートバンクとでは、経営効率、顧客指向に差があるためだと考えられます。それと同時に、日本国内の銀行がいかに国際競争にさらされていないか、ということでもあります。ですから、グローバル経済の流れに反して、今後、国外への資金移動がさらに規制されるようになれば、この差はむしろ拡大していく可能性があるでしょう。規制が強まれば、日本国内の銀行預金がどんなに不利だとしても、顧客が海外に逃げてしまうという心配はなくなるからです。
そうなると、世界経済の回復により主要通貨の金利が上昇する局面では、日本国内の悪条件はいっそう際立つことになるでしょう。例えば、スイスで6%の利回りが付くところが、日本では3%程度になるなどということもあり得ないことではありません(現にカナダドルではそうなっています)。しかも金利の場合、複利効果がありますから、初めのわずかな差が、後には大きな結果の違いとして表れてくるのです。
とはいえ、3割、4割という違いも、国際的に低金利の時代であれば、さほど目立たない可能性はあります。例えば、5000万円相当の米ドルを年利0.9パーセントの利回りで運用すれば、1年で45万円の利子がつきます。これに対して、年利0.65パーセントの利回りとすれば32万5000円ですから、その差は12万円とちょっとにすぎません(簡単のため為替の変動はないものとします)。
この金額の差を「大きい」と考えるかどうかは意見が分れるでしょう。しかしながら、少なくとも有料のコンサルタントを用いて口座開設を代行させるのに見合う金額でないことは確かです。なぜなら、有料でスイス銀行口座の開設を請け負う業者の場合、口座を開くだけで12万から18万円ほどの手数料をとるからです。これでは、資金をスイスに移動させたことにより得られたはずの利益は、帳消しになるか、運が悪ければマイナスになってしまいます。
言い換えれば、そのような業者を利用した場合、「プライベートバンクの有利さ」は、顧客の富を殖やすことには使われず、すべて代行業者であるコンサルタントの懐に入ってしまうというわけなのです。
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