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スイス銀行とは何か
「スイス銀行」という名の銀行はない、とはよく言われていることです。
とは言うものの、1998年までは「スイス銀行コーポレーション(Swiss Bank Corporation)」なる銀行が存在していました。これは、現在スイス最大の銀行とされるUBSの前身の一つです。ですから、「スイス銀行」とはUBSのことであると言う人もいます。
けれども、東京に支店があり、かつては東京証券取引所に上場もしていたUBSは、「スイス銀行」と呼ぶにはあまりにグローバルな企業です。スイス最大の銀行であるとはいえ、アメリカ流の投資銀行ビジネスを展開しており、あまりスイスらしくない銀行だという印象があります。スイス第二の銀行であるクレディ・スイスも同様です。
だとすれば、「スイス銀行」という言葉のもつ何やら秘密めいた雰囲気に合うのは、そのような大手の商業銀行ではありません。
むしろ、「プライベートバンク」と呼ばれる一群の中小銀行でしょう。プライベートバンクとは、顧客の資産運用とそれに伴う顧客サービスに特化した「プライベートバンキング」と呼ばれる業務を専門とする銀行のことです。
それというのも、秘密保持で知られるスイスの諸銀行のなかでも、とりわけ秘密にこだわるのが、これらプライベートバンクだからです。
プライベートバンクの「プライベート」とは「民間・私立」ではなく、「非公開」という意味であり、「プライバシー」に近い言葉です。商業銀行の支店が市中の目立つ場所にあるのに対して、プライベートバンクの事務所はむしろその存在を隠すかのようにひっそりと佇み、ふつうアポイントなしでは入れません。
ただし、一般に流通している「スイス銀行」のイメージには、非現実的な面もあります。
例えば、「スイス銀行」であれ、「プライベートバンク」であれ、どんな顧客のいかなる秘密でも守るものだというのは誤りです。
詐欺やマネーロンダリングなどの犯罪に関与しているとみなされれば、顧客情報を当局に提供することがあります。有名なナンバー・アカウント(番号口座)も、顧客情報を知ることができる銀行職員を限定することにより秘密保持の徹底をはかるものであり、「匿名口座」とは異なります。
さらに、スイスの銀行では、外国の著名な政治家などの資金は、原則として受け入れないことになっています。
ときどき、独裁国家で政変などがあると、追放された独裁者が巨額の資金をスイスの銀行に隠しているなどと噂されますが、眉唾ものです。スイスの銀行は、そういう形で横槍を入れられるような資金を、最初から受け入れないことにしているからです。
こうしてみると、「スイス銀行」とは、同名の銀行が存在しないだけではありません。劇画や小説の中で「スイス銀行」が提供しているとされるのと同一のサービスを提供する銀行も存在しないと言えるでしょう。比較的イメージに近い「プライベートバンク」であっても、秘密保持原則が他国よりも厳格というだけであり、目立った共通点はありません。
劇画や小説の中の「スイス銀行」のイメージは、スイスの国策と言えるほどの秘密主義が、多くの作家の想像力をかきたてた結果の産物であると言えるでしょう。
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